スズキ・バレーノ1.2L・XGの外観と内装を見てきたので画像つきでご紹介します。
今回は2016年に販売を開始したスズキの「バレーノ1.2L・XG」に試乗してきました。「バレーノ」はあまり聞き慣れない車種ではありませんか?
車格が「スイフト」と同じで、どちらも「カルタス」の後継車種ですが、どちらかというと歴史も長く台数が売れている「スイフト」に馴染みがあると思います。
「バレーノ」は「スイフト」と同じ車格でありながらボディーサイズは全長と全幅で「スイフト」よりも一回り広げた3ナンバーになっています。
車高は「スイフト」よりも若干下げることにより他のコンパクトカーと一線を画しているのです。
「バレーノ」という車は非常にグローバルな生い立ちの持ち主で、企画設計は日本で行い、テストは欧州、そして生産はインドで行うという世界をまたにかけた前例を見ない方法で供給しているのです。
インドではスズキの自動車の人気が高く、日本よりもインドの方が台数多く売れるということもあり、この様な方法をとったそうです。
今日はインド生まれのスズキの世界戦略車「バレーノ」に試乗した感想を直球でお伝えしていきたいと思います。
試乗車はバレーノ1.2L・XG
今回試乗したスズキ「バレーノ」はコンパクトカーの部類に入り、「スイフト」や「ヴィッツ」「フィット」などと車格は同じです。
エンジンは1.2L直列4気筒と1.0L直列3気筒直噴ターボの2種類のラインナップとなっており、燃費を重視したい1.2L派か、パワーや走行性能を重視する1.0L派にわかれます。
今回試乗したのは1.2Lエンジンの「バレーノ」で、最高出力は91PS/6,000rpmと最大トルクは12.0kgf・m/4,400rpmとなっています。
特に注目すべきは「デュアルインジェクションシステム」です。1気筒あたりに2つのインジェクターで燃料を噴射します。燃料を微粒化し噴射することで燃えやすくし、燃料を安定させ熱効率を向上します。
一方1.0Lのダウンサイジングターボは最高馬力が111PS/5,500、最大トルクは16.3kgf・m/1,500~4,000rpmとなっており、低回転域からターボ特有の太いトルクを発揮できる仕様になっています。
このエンジンは直噴化技術を採用しており、燃料をシリンダー内に直接噴射することで、使用する量を最適にコントロール。消費燃料を抑えるとともに、混合気を冷却することでノッキングを抑制する効果も高めています。
ボディーカラーは「オータムオレンジパールメタリック」という落ち着いたオレンジでした。生産国がインドなだけにカレーライスの様な鮮やかな色にも見えてしまいます。(これは販売店のお姉さんの受け売りです)
ボディーカラーのラインナップは全7色で落ち着いたカラーが多い中、「ファイヤーレッド」だけが原色系の明るい赤色を採用しており、女性におススメしたいカラーです。
安全性能の面では、ミリ波レーダー方式の衝突被害軽減システム「レーダーブレーキサポートⅡ」を標準装備して様々な安全機能を搭載しています。
今回試乗したバレーノは「XG」というベースグレードでしたが、バレーノは計4グレードのラインナップを有しています。バレーノの気になるグレードと価格は下記で見ておきましょう。
(円) | 1.2L | 1.0Lターボ | ||
---|---|---|---|---|
XG | XS | XT | XT(セットオプション装着車) | |
2WD | 141万 | 154万 | 161万 | 172万 |
バレーノ1.2L・XGの外観
全体的なフォルムは丸みを帯びており、フロントから流れるサイドのキャラクターラインがワイド&ローを意識したプロポーションをより強調しています。
車高も低く構えたスポーツカーみたいです。フロントデザインはかなり小さく絞ったグリルと、それを縁取ったシルバーの加飾が見慣れないデザインで新鮮味があって面白いです。
ヘッドライトはオーソドックスなハロゲンを採用しており、ライトのデザインもひし形を崩した様なオーソドックスなデザインです。ヘッドライトはXGのみハロゲンで、その他グレードになればディスチャージを採用しています。
リアデザインはリアウィンドウの高さが小さくなっており、リアコンビネーションランプもリア全体でみると真ん中より上についており、尚且つ両サイドにポツンと付いているので、欧州車のコンパクトカー見たいなデザインです。
他のコンパクトカーと比べて、ハッチバックに凹凸が多いのも印象的です。
足回りは15インチのスチールホイールでホイールキャップがついています。これも他のグレードは16インチのアルミがついており、デザインも中々凝っているだけに、XGのフルホイールキャップがとてもチープに見えてしまいます。
バレーノのエクステリアは車高が低めに構えられていて格好いいことや、リアのデザインが奇抜なのに対して、ヘッドライトやホイールが若干ポイントを下げてしまっており勿体ないですね。
バレーノ1.2L・XGの内装
内装も一目でコンパクトカーと分かる様なベタでレトロ(古臭い)な感じのデザインです。しかしながら3ナンバーの強みを活かし、ゆったりとした空間は確保しています。
まず内装色ですが、全体をブラックにまとめていて良いのですが、色味が若干薄くグレーよりになっているので、プラスチック感が表面に出てしまっています。
シートも単色のスエード地になっており、シートの座り心地も可もなく不可もなくという大きな特徴がありません。ステッチなどのアクセントが入っていれば印象も変わったかもしれませんね。
ハンドルはウレタンのステアリングホイールです。素材はコンパクトカーのベースグレードなのでウレタンでも仕方ないとして、ステアリングのデザインが少し古臭いです。センターのクラクション部が大きく面積をとっており、ボッテリした印象に加えてスズキの「S」ロゴが大きいです。
残念なのはハイグレードのバレーノで本革巻きステアリングホイールになっても、デザイン自体は全く変わらないということです。
メーターは2連丸デザインで奥行がある立体的なデザインです。ブルーがメインのライトと相まってスポーティーに仕上げています。センターにはマルチインフォメーションディスプレイを採用しており、瞬間燃費や平均燃費、航続可能距離を確認できます。
センタートレイはナビやオーディオをトップに配置して、その両サイドにエアコンの吹き出し口を縦に配置した珍しいレイアウトです。シルバー加飾をあしらっていてデザインは悪くありません。
しかし、その下にエアコンのコントロールパネルを配置していますが、マニュアルエアコンでデザイン性が無いジョグダイアルを採用しているので、チープな印象にまとめてしまっています。
センターコンソールは前面にシフトレバー、後面にハンドブレーキを配置していますが、両者の距離が離れているので、少し違和感があります。できれば横並びにできると使い勝手が良いですね。
後部座席の乗り心地は悪くない
後席の座り心地は悪くありません。大柄な私が座っても膝周りは余裕があります。シート座面の長さも確保されているので、楽な姿勢で座ることができます。若干気になるのは天井が低いので、頭まわりに窮屈さを感じることです。女性や子供であれば全く問題ありません。
ラゲージスペースはラゲージボードを活用して320Lの容量を確保しています。この容量ならば9.5インチのゴルフバックならば積載可能です。さらに大きな荷物を積みたい時は後席のシートバックが6:4で分割可倒できるので、フラットにして使用できます。
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