スズキ・新型ジムニーXCの外観と内装を見てきたので画像つきでご紹介します。
今回試乗したのは2018年に待望のフルモデルチェンジを行ったスズキの軽自動車でオフロード四輪駆動車のジムニーです。
スズキが1970年から販売し続けている人気車種で、ジムニーのコアなファンも多く存在している車種ですが、ジムニーは一度モデルチェンジをするとかなり長い年月の間販売をし続ける傾向が強く、3代目にあたる前モデルも約20年間販売し続けていました。
なので今回のフルモデルチェンジは待ちに待ったフルモデルチェンジと言っても過言ではありません。
3代目モデルは丸みを帯びて少し街並みにも馴染んだデザインになっていましたが、4代目の新型は角ばったオフロード仕様のデザインに戻った様な印象が強く出ています。
販売店では先行予約開始日に予約が殺到しており、納車は既に1年以上の待ち日数がかかるという驚異的な人気となっています。
本格オフロード車として日本のみならず世界中から高い評価を受けているジムニー、その新型モデルチェンジには興味がありましたのでスズキのお店に足を運んでじっくり話を聞きながら試乗させてもらうことになりました。
試乗車は新型ジムニーXC
今回試乗させて頂いたのはスズキジムニーのXCというグレードです。ジムニーにはXGとXLというグレードが他にありますが、XCは最上級グレードとなっています。
このグレードの特徴は、ヘッドライトがLEDポジションランプ付のLEDヘッドランプになっていることや、クルーズコントロールや本革巻きステアリングホイールになっていることです。
エンジンはどのグレードでも同じで、水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボとなっており、最高出力は64PS/6000rpm、最大トルクは9.8㎏・m/3500rpmとなっています。
駆動方式は全て4WDとなっており、このモデルから新開発のラダーフレームを採用しています。
元々ジムニーは頑丈な梯子型のフレームにサスペンションなどを取り付け、その上に車体を載せる本格4WDを受け継ぐ構造を採用していました。
一般的にはモノコック構造の車が多くなっていますが、新型のジムニーではそこは伝統を受け継ぐ形で新開発のラダーフレームを採用したのです。
フレームの前後にクロスメンバーを追加し、ねじり剛性を従来の1.5倍に高めたことや、車体とラダーフレームを繋ぐボディーマウントゴムを新設計し、上下方向に柔らかくすることで乗り心地も良くなっています。
今回のジムニーのボディーカラー非常に目立つカラーとなっており、カラーはブラックとキネティックイエローの2トーンです。
この他にも2トーン色はブラック×シフォンアイボリーとブラック×ブリスクブルー、モノトーンならば、ホワイトやブラック系のカラーを合わせて全9色のラインナップになっています。
今回試乗したジムニーの最上級グレードでは¥1,841,400でしたが、気になる他のグレードの価格も見ておきましょう。
グレード | 駆動 | 価格 |
---|---|---|
XC | 4AT | 184万 |
5MT | 174万 | |
XL | 4AT | 167万 |
5MT | 158万 | |
XG | 4AT | 155万 |
5MT | 145万 |
新型ジムニーXCのエクステリア(外観)
まずはエクステリアからみていきます。今回のジムニーのフルモデルチェンジは丸みを帯びたデザインから角ばったデザインに大きく変更となりました。
一言でいえば2代目ジムニーの様なオフロードカーとカテゴリーにあることを重視しているデザインです。
新型ジムニーXCのフロントデザイン
先ずフロントデザインですが、3代目の四角いヘッドライトから丸いヘッドライトへ変更になっています。
丸いヘッドランプにすることでレトロな感じが強くなっています。
またライトはグレードによってLEDヘッドライトになっているので、機能性には遅れをとっていません。
グリルはジムニーらしい5スロットグリルになっており、こちらも2代目ジムニーを継承した形となっています。
グリルの縦幅をギュッと狭めており、かつ幅はワイドに見える様になっているので、ハマーのジュニア版みたいな見た目に仕上がっています。
フロントガラスの角度も3代目のジムニーは少し傾斜が緩やかであったのとは対称的に新型ジムニーは角度がきつくなっています。
その他の特徴としては、ボンネットは強度を高めるクラムシェルフードを採用しており、バンパーも高い走破性をサポートする切れ上がった形状のバンパーコーナーになっています。
フロントのデザインはワイドでローな印象を強く与えるデザインになっていますね。
新型ジムニーXCのリアデザイン
リアデザインも一新しています。3代目のジムニーは縦型のリヤコンビネーションランプを採用しておりましたが、4代目は横型のコンビネーションランプに逆戻りしました。
最近のスズキの自動車のデザインは過去のデザインに逆戻りする傾向が流行の様で、ワゴンRのリヤデザインも横置きのコンビネーションランプになっています。
バンパーはフロント同様に過酷なオフロードでのタフさを感じさせる強く丈夫そうなバンパーがついています。
新型ジムニーXCのサイド
サイドデザインはガラス面を立ててサイドに雪が溜りにくくしたスクエアボディーになっています。
新型ジムニーXCのホイール
また悪路走行でタイヤ交換も多くなることが想定されるので、タイヤ交換などの整備がしやすい台形ホイールアーチになっています。
エクステリアデザインは3代目のデザインの面影はあまりなく、2代目のジムニーのデザインを彷彿させるオフロード感が強いデザインになっているので、往年のジムニーファンにとってはたまりませんね。
新型ジムニーXCのインテリア(内装)
インテリアの質感も3代目ジムニーよりも向上しています。車内はブラックをベースにしているので、締まった様に見えます。
水平基調でデザインされた立体感のあるインストルメントパネルやアームレストはジムニーらしい力強さを感じます。
またオフロードなどで車両姿勢を把握しやすくしてくれるので良いですね。操作部には反射を抑え傷や汚れが目立ちにくい表面処理を採用しています。
フロントドアのベルトラインに段差を設けて視界を拡大するなどインテリアデザインに機能性を多く盛り込んでいます。
シートは撥水ファブリックシートを採用しています。幅広のシートフレームとクッション性能の最適化によりオフロードでの乗り心地を最優先で考えています。
シートの座面形状とウレタン特性のチューニングと合わせて長時間走行でも疲れにくいシートになっています。
運転席からみた視界は死角が少なく視認性が良いと感じました。その理由の1つはフロントガラスです。Aピラーを立てたデザインにより、ワイドな視界を確保しています。
四角いフード形状は見切りが良く、とり回しも良さそうです。
ドアミラーにはサイドアンダーミラーが付いているので、車両側方を視認しやすい様になっています。2面鏡を装着しているので助手席側面方向の死角低減をサポートします。
またドアミラーはヒーテッドドアミラーを採用しているのでくもりの除去や付着した雪を溶かして視界確保をサポートしてくれます。
これらの工夫により悪路走行に対応して視認席を出来る限り高めてくれているのです。
新型ジムニーXCのハンドル
ハンドルは本革巻きのステアリングホイールを採用しており、とても握りやすいハンドルでした。デザインもオーソドックスで操作しやすいです。
今回試乗したジムニーにはクルーズコントロールの操作スイッチも付いていました。
新型ジムニーXCのメーター
メーターは立方体メータークラスターで必要計器をシンプルに収納しています。機能性が高く気取らないデザインですが、そのシンプルさがオフロードカーらしさがあって好きです。
いつでも高い視認性を確保できる常時照明を採用するとともにマルチインフォメーションシステムをセンターに配置しています。
メータークラスターのヘアライン仕上は反射を抑える硬質感を演出しています。
新型ジムニーXCのセンターパネル
センターパネルにはナビゲーションエアコンルーバー、エアコン操作盤、センタースイッチの順で配置されています。
エアコンは今回試乗したXCとその下のグレードXLはフルオートエアコンになっています。
センタースイッチは4つのスイッチがまとめられており、左右にパワーウィンドースイッチ、センターにESPオフスイッチとヒルディセントコントロールスイッチを配置しています。
左右シートの間にシフトコントロールノブとトランスファーレバー、ハンドブレーキが配置されています。
新型ジムニーXCの後部座席
リヤ空間は正直に言って狭いです。
シート左右独立のリクライニングシートを採用しており、独立で12段階のリクライニングができるのがポイントになっていますが、空間が狭いので長時間のドライブには不向きです。
座ってみると膝は前シートの背もたれに当たってしまいます、頭周りにも余裕がないので、後部座席に座るのは子供や小柄な方でないと無理です。
ジムニーは大勢でドライブをするよりも個人的にオフロードを楽しむ物なので、後ろの居住性は悪くても諦めがつきますね。
新型ジムニーXCの荷室
ラゲッジスペースはシートアレンジによって広げることが可能です。
リヤシートを使用している状態ではかなり狭いので小物を収納する程度ですが、シートを倒せば352L積めるスペースを確保できます。
フロアは完全なフラットになり、スクエアな室内空間と相まってスペースを隅まで無駄なく活用することができます。
ユーリティーナットや荷室フックナット、ラゲッジアクセサリーソケットも装備されています。
また防汚タイプラゲッジフロアになっているので、汚れに強いことは勿論のこと、荷物の出し入れもスムーズにすることができます。
シートアレンジは前席を倒してフルフラットにすることができるので、車内でゆっくり休んだり、仮眠をとることもできます。
開口部が広く、幅1030mm、高さ850mmもあるので、9.5インチのゴルフバックが横積みで2個、ボストンバックなども合わせて積載することができます。
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