トヨタ・ランドクルーザープラドTX“Lパッケージ“を実際に試乗運転してきた感想を書きたいと思います。
プラドTX“Lパッケージ“の走行性能
プラドTX“Lパッケージ“の走行性能についてみていきます。
今回試乗したランドクルーザープラドですが、エンジンは国内初2.8Lの直噴4気筒のディーゼルターボを採用し高効率のターボチャージャーを搭載している上に尿素SCRを採用していることでNOxの排出量を大幅に低減しています。
尿素SCRという言葉を私も初めて聞いたのですが、ディーゼル車から排出する有害なNOx(窒素酸化物)の排出を低減する為には必要不可欠な浄化システムの様です。
営業マンさんの話では1万キロに1回位のペースで補充が必要で1回5,000円位で補充できるそうですよ。
走行の上でも高性能で環境にも優しい作りになっています。
マイナーチェンジで追加されたばかりのディーゼル
実はマイナーチェンジ前のプラドは2.7Lガソリンエンジンと4.0LのV6エンジンのラインナップであった為、ディーゼルが無かったそうです。
しかしながら本格的なSUVファンからはディーゼルをラインナップに加えて欲しいという要望が強くあったそうで、今回のマイナーチェンジで加わったんですって。
私もその1人であった為、今回の試乗はいつも以上にワクワクしています。
では実際に走らせてみた感想を伝えたいと思います。
視界が高く運転しやすい
まず座席に座ってみると、視界が高いです。
ノーズも長いので、前方の位置が把握しやすいですね。
また2面鏡式の補助確認装置もかなり大きいので助手席側の死角も怖れる必要がありません。
アクセルを軽く踏むと、簡単に1500回転~2000回転くらいまでタコメーターが振りあがります。
この時点でプラドの持つ太いトルク性能を感じることができますね。これがディーゼルの醍醐味を言っても良いでしょう。
プラドの最大トルクは1600~2400回転で最大トルクを発生させることができ、そのトルク量も45.9kgf・mと素晴らしいです。
中低回転域で最大トルクを発生させることができるのでどのような走行シーンでも惜しみなく体感できます。
トランスミッションが6速のATなので、これもかなり低速から高速域までを効率良く発揮してくれます。
今回の試乗は比較的大きな国道を直線で4kmと片側1車線の市道を復路4kmで走行したので、60km/h~80km/hで走行するやや高速走行と30km/h~50km/hで走行する街乗り走行を体感することが出来ました。
やや高速走行では、走り出しのトルクが高い上に、緩やかな加速の2,000回転位での走行でも十分な加速を発揮してくれます。
馬力も177psあるので、プラドの2.5t近くある車両総重量の重さを感じさせることがない走行ができました。
大きくても小回りが利く
今回の試乗で一番びっくりしたのは、こんなにボディーの大きなプラドなのに小回りが利くことです。
国道から復路の市道へ入る際に急激に道幅が狭い道へ侵入することとなるのですが、大回りをしなくてもスムーズに車体を切る事ができました。
最小回転半径はカタログでみると5.8mとなっていますが、数値以上の小回り感を感じましたね。
静粛性が高く、惰性走行なら静かに走れる
市道走行では、走り出しである程度速度に載せたら、惰性走行に入ることが多いです。
惰性走行で感じることはとにかく音が静かなことにびっくりしました。
ディーゼルエンジンの性ですが、走行性能を優先する変わりに静粛性は諦めないといけないことが多いと思います。
確かにプラドもアクセルを踏み込んでいる時にはディーゼル音が車内に入り込んできます。
しかし、惰性走行時は全く音が入り込んでこない!これはビックリです。営業マンさん曰く、オンロードでの走行もプラドは重視しているので、遮音材をしっかり使い込んでいるとのことです。
市道はガードレールなども近いのでプラドの様な幅の広い車は運転しにくいかと思っていましたが、視界が高いことと助手席側の死角が少ないことが相まって全く圧迫感を感じることなく走行できました。
このパワーにこの小回りそして視界の良さがあれば、男性のみならず女性にも運転しやすい車に仕上がっているという印象です。
夫婦で車を共有する方でもプラドならば奥様も嫌がることがないと思います。
ランドクルーザープラドの安全性能
ここからはランドクルーザープラドの安全性能について紹介します。
今回の試乗では安全性能が活躍する様なシーンはありませんでしたが、魅力的な装備が充実しているので紹介していきます。
今回は「VSC&TRC」と「マルチテレインABS」「EBD付ABS&ブレーキアシスト」をみていきましょう。
「VSC&TRC」で横滑りに強い
まず最初に「VSC&TRC」です。
アルファベットで聞きなれない言葉だと思いますが、VSCは急激なステアリング操作で滑りやすい路面などで発生する車の横滑りをセンサーが検知して各タイヤのブレーキとエンジンの出力を制御しながら車の安定性を確保します。
TRCは滑りやすい路面でスリップを抑制し安定性を保ちます。
VSCもTRCも滑りやすい状況から車の安定性を保つ機能を持っているのです。
オフロードにも優れた「マルチテレインABS」
次に「マルチテレインABS」です。
この機能はクリーンディーゼル車に標準装備されている機能で、ダート路や砂利路、砂地路などの路面に対し、ABS制御を最適化します。
アスファルト路面のみならず、オフロード路面でも優れた制動性能を発揮してくれるのです。
「EBD付ABSブレーキアシスト」で車両の安定性が高まる
最後に「EBD付ABSブレーキアシスト」です。まずEBDとは何かという説明をしますと、電子制御制動力配分装置と言って、ブレーキ操作をした際に走行状況に応じて最適な制動力を各車輪に配分するシステムです。
この機能はコーナーリングなどで内側と外側でかかる荷重が違うため、左右で制動力を変えたりして効果を発揮します。
では、EBD付ABSブレーキアシストの働きですが、ブレーキをかけた際のタイヤロックを防止し、悪路での横すべりを回避するABS機能に加え、EBD機能を採用することで、走行状況を各車輪センサーが検知し適切な制動力配分を行ってくれます。
これにより車両の安定性はかなり高まるのです。
また、緊急ブレーキを感知した際には強い制動力を発生させ、制動距離を最小限に抑えるブレーキアシストも搭載しています。
オンロードもオフロードにも適していると言われる、ランドクルーザープラドの所以はこのような機能によって安定した走行を維持できるからと言っても過言ではないでしょう。
ランドクルーザープラドの燃費
ここでは燃費についてみていきます。
今回試乗したプラドはボディーや重量も重いので燃費が悪いのでは?と思う方も多いはずです。気になるプラドの燃費は以下の通りです。
排気量 | 定員 | 燃費(km/L) | TZ-G | Gフロンティア | TX“Lパッケージ” | TX |
---|---|---|---|---|---|---|
2.8Lディーゼル | 7人 | JC08 | 11.2 | 11.8 | 11.8 | – |
実燃費 | 9.0 | 9.3 | 9.3 | – | ||
5人 | JC08 | – | – | – | 11.8 | |
実燃費 | – | – | – | 9.6 | ||
2.7Lガソリン | 7人 | JC08 | – | 9.0 | 9.0 | 9.0 |
実燃費 | – | 8.2 | 8.2 | 8.2 | ||
5人 | JC08 | – | – | 9.0 | 9.0 | |
実燃費 | – | – | 8.7 | 8.7 |
プラドのJC08モードの燃費は、2.8Lディーゼル車が11.8~11.2km/Lで2.7Lガソリン車が9.0km/Lです。
実燃費はJC08モードと大きな差はありません。ガソリン車に比べるとディーゼル車の実燃費の落ちは大きい様に見えますが、JC08モード11.8km/Lに対して実燃費9.3km/Lなので燃費達成率は約80%位になっています。
私が今回試乗した8kmの道のりでの実燃費も9.0km/Lであったため、一般的に出回っている実燃費の口コミや営業マンさんがおっしゃっている数値と大きな差はありませんでした。
クリーンディーゼルなので燃費がもう少し良くてもいいかなという期待はありましたが、車両総重量が2.5t近くあることを冷静に考えれば、この実燃費でも優秀だと認めてあげないといけません。
プラドTX“Lパッケージ“の試乗記まとめ
今回は私も念願だったプラドの試乗ができて舞い上がっています。
本来であればオンロードのみの試乗だけではなく、1泊2日くらいでお借りしてオフロード走行のレポートもしたいところです。
オフロード走行では、4輪トラクション+デフロックやアクティブトラクションコントロール、ダウンヒルアシストコントロール制御などの機能も思う存分体感できると思います。
プラドはオフロード向けのランドクルーザー100の良さを継承し、オンロードでの乗り心地は走り安さを追求した、オールタイムで活躍できるバランスのとれたSUV車です。
燃費もこのサイズの大きさの車にしては、かなり優秀な燃費を実現していると思います、小回り性や走行性能、静粛性でみても申し分ない車に仕上がっています。
今回の試乗レポートでオンロードの良さはお伝えできたと思いますので、気になる方は是非トヨタに行ってプラドに乗ってみてください。
そしてディーラーに懇願してオフロードも体感させてもらってみて欲しいと思います。
【5・7人乗り】ランドクルーザープラドのメリット・デメリット(欠点)
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