クラリティフューエルセルは、ホンダで初の量産燃料電池自動車として開発された新型車になります。日本での発売は2016年3月に開始されており、トヨタのミライから15ヶ月遅れたデビューとなっています。ラインアップは1グレードのみで、価格は766万円~の設定です。
燃料電池車で初の5人乗りとなっており、室内の居住性が高いく使い勝手が良い事と、走行可能距離が750kmと1回の充填でしっかりと走れるのが魅力です。ライバル車のミライは、個人向けにも発売されていますが、クラリティフューエルセルは2017年4月現在では、官公庁や関連業界へのリースのみとなっており、残念ながら一般ユーザーへの販売はされておらず、早期の個人向け販売が待たれます。
クラリティフューエルセルのメリット
①走行可能距離は750kmと十分
70MPaの高圧水素貯蔵タンク(タンク容量が141L)を搭載した新型クラリティフューエルセルは、一充電あたりの走行可能距離はJC08モードベースで750kmと燃料電池自動車でトップクラスの低燃費を実現しています。(新規格のステーションなら810km)
ライバル車のミライは、タンクは122.4Lと18.6L容量が小さい事もあり、走行可能距離は650kmとなっています。ライバル車を大きく上回っており、燃費面を重視するならクラリティフューエルセルがおススメです。
②燃料電池車で初の5人乗り
年長電池パワートレーン全体をエンジンルームに納めることに世界で初めて成功した新型クラリティフューエルセルは、室内(長1,950mm×幅1,580mm×高1,160mm)と優れた居住性を確保しています。
ライバル車のミライと比較すると、室内(長2,040mm×幅1,465mm×高1,185mm)とスペックだけみるとミライの方が大きそうに感じますが、乗車定員はミライが4人に対し、クラリティフューエルセルは5人乗る事が出来ます。
③ホンダセンシングを標準搭載
ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたホンダセンシングを標準装備する新型クラリティフューエルセルは、車両だけでなく歩行者にも対応するプリクラッシュブレーキ・車線内を走行出来るように支援してくれる車線意地支援システムなど優れた予防安全性能を備えています。
この他にも高速走行時などに重宝する渋滞追従機能付きのアダプティクルーズコントロールも付いており、長距離ドライブ時も楽チンなのも嬉しいポイントです。
④荷室容量はミライ+35Lの394L
ラゲッジスペースが通常奥行き410mm×幅1,330mm×高さ620mmの新型クラリティフューエルセルは、9.5インチのゴルフバッグが3個載せられ、394Lの荷室用量を確保しています。(上段奥行きは670mm)トランク内に水素タンクが収納されている関係で段差はありますが、使い勝手は悪くありません。
ライバル車のミライと比べると、容量は361Lと35Lクラリティフューエルセルの方が大きくなっています。
クラリティフューエルセルのデメリット
①ミライより45万円も高い
車両本体価格が766万円の新型クラリティフューエルセルは、同じ量産燃料電池車でライバルにあたるミライと比較すると、45万円程度高い設定となっています。もちろん装備・性能が違うので一概に言えませんが、価格差以上のお得感があるかといわれると正直微妙なところです。
価格だけで言えばレクサスGS・ベンツEクラスなどの高級車と同等になりますが、内装や装備面では圧倒的に差があり、そこら辺が割り切れないなら止めた方が良いかもしれません。
②水素ステーションは91ヶ所
新型クラリティフューエルセルは、一回あたりの水素充填が3分程度とガソリン車の給油と変わらない時間ででき、優れた使い勝手を実現しています。しかし肝心の水素ステーションが2017年1月現在で、17都道府県に79ヶ所しか整備されていません。(計画中も入れると20都道府県)
計画中のステーションが12ヶ所あり、全部で91ヶ所になる予定ではありますが、それでも設置のない都道府県の方が多いのが現状です。燃料電池自動車を検討している方は、事前にお住まいの地域に水素ステーションがあるのかをまずチェックしたほうが良さそうです。
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