ルノー「カングーゼン」の外観と内装を見てきたので画像つきでご紹介します。
デザインに芸術性を強く感じることができるフランス出身のルノー、そのルノーの中でもカングーは乗用と商用目的で様々なシーンで活躍する車種の一つです。
元々は5ナンバーサイズのカングーでしたが、近年は全幅が1830mm拡大されたことで3ナンバーに変更して、居住性を重視した造りに進化しています。
また以前から変わらずAT車とマニュアル車を併売している車種でもあり、その比率がAT:MT=7:3とATの方が多く占めていながらも、依然としてMT人気の高い珍しい車です。
国産車では中々お目にかかれない珍しいカングーのデザインに少し興味を持ったので、ルノーのお店に足を運び見てきました。
試乗車はカングー・ゼン
今回試乗させて頂いたのはルノーのカングーです。現在カングーのグレードはワングレードのみで「カングーゼン」というグレードになります。
全長4,280mm、全幅1,830mm、全高1,810mmと3ナンバーサイズの5人乗りとなっており、乗車スペースとラゲッジスペースは広く設計されています。
エンジンは1200ccでターボチャージャー付筒内直接噴射直列4気筒DOHC16バルブを搭載しています。
排気量が小さいですが、ターボが付いていることで、低回転域から力強さを発揮してくれます。
最高馬力は115PS/4,500rpmで最大トルクは19.4kgf・m/1,750rpmなので2.0Lクラス並みのトルクを実現しています。
低燃費に配慮した走行をサポートするECOモードを設定しており、JC08モード燃費は14.7km/Lとなっています。
トランスミッションは2種類で、エンジンからの出力をスムーズかつ効率よく路面に伝える「6速EDC(エフィシエントデユアルクラッチ)トランスミッション」と、シフトレバーの操作が楽しめる「6速マニュアルトランスミッション」が選択できます。
内装に関してはカラーリングの選択ができませんが、ボディーカラーは全6色から選択することができます。元々の用途が商用目的の強い車なので、色も落ち着いたカラーが多くなっています。
今回試乗したカングーのカラーは「ブルーコスモスM」という濃い青系のカラーでした。
街中で一番見かけるのは「ジョン アグリュム」という黄色のカングーです。どちらもカングーを引き立てる魅力的なカラーであることは間違いありません。
カングーゼンの気になる価格は以下の通りになっています。
(円) | ゼン | ゼン(メタリック) |
---|---|---|
EDC | 259万 | 263万 |
6MT | 249万 | 253万 |
カングー・ゼンのエクステリア(外観)
カングーのエクステリア(外観)は日本ではあまりお目にかからない、カーゴトラックを小さくした様な形になっています。
元々商用車として用いられていたこともこの形の形成には影響を及ぼしているのだと思います。
プラットフォームは日産のラフェスタと同じですが、カングーの方が芸術的に見えてしまうのはフランスのデザイナーの腕なのでしょうか。
フロントデザインは、アーモンド型のヘッドライトによって優しい女性的な顔立ちになっています。
グリルのセンターにはお馴染みのルノーのエンブレム「ロザンジュ」を配置し、ヘッドライトに向けてシルバーのグリルバーがスーッと通ります。
アンダーグリルとフォグランプ周りがブラック塗装のプラスチックみたいで、商用車譲りの安っぽさは残ってしまいます。
カングー・ゼンのリア
カングーのリアは観音扉のダブルバックドアを採用しています。左右の扉はそれぞれ2段階に開くので狭い場所でも開閉ができます。
縦長のテールランプも珍しいデザインでミニバンの様な造りです。バックフォグやハイマウントも標準で装着されています。
両側スライドドアは手動のみ
サイドは両側スライドドアがついていますが、どちらも電動ではありません。
国産車であればオプションで電動にグレードアップさせることができますが、カングーはオプションにも設定がありませんので、手動で開閉するしかありません。
スライドドアなので、狭い場所でも開閉できることはメリットですが、電動でないので子供を乗り降りさせる時には凄く不便に感じます。
スライドドアは比較的軽いのですが、オートに慣れてしまっていることもあり、この点はかなり減点ポイントになってしまいます。
カングー・ゼンのホイール
足回りは15インチのスチールホイールにホイールカバーが付いています。こちらもアルミホイールでない点が商用車っぽい演出になってしまっています。
さらにブラックのサイドプロテクションモールもチープな感じになってしまっています。
しかし標準でルーフバーが付いているのはポイントアップです。
通常はオプション装備になることが多いですが、カングーでは標準装備なのは嬉しいですね。
エクステリアは全体的には日本離れした面白いデザインですが、所々に商用車の様なチープな面が残ってしまっているのです。
カングー・ゼンのインテリア(内装)
カングーのインテリア(内装)は、ブラックベースのワンパターンのみとなっています。
シートは3Dマテリアルファブリックシートを採用しており、長時間運転をしていても疲れにくい優れた形状になっています。
今回私を担当したセールスさんもカングーゼンを愛車にしているそうで、シートの座り心地には凄く満足されているとおっしゃっていました。
腰の部分が出っ張っているので、マッサージ様の椅子に座っている様な、気持ちいい感覚を得ることができるのです。
ステアリングはルノーのロゴをあしらった3本スポークのウレタンステアリングです。かなりシンプルな造りなので結構好感がもてます。
メーターは3連メーターになっており、タコメーターとセンターに200km/mまで計測できるスピードメーターの組合せになっています。こちらも至ってシンプルなデザインですね。
センターコンソールはシンプルと言うよりはチープな感じの仕上がりです。
最上部はナビを入れるか物入れとなっており、中段はエアコンの操作パネル、その下にオーディオが配置され、最下段にシフトノブになっています。
光沢のないブラックパネルを使用しているせいか、凄くチープに見えてしまいます。
この車の面白い所の1つですが、サイドブレーキの形状が飛行機の操縦桿の様なレバーになっており、これもいままで見たことが無い様なデザインです。
運転席の頭の上には「オーバーヘッドコンソール」というかなり横長の収納スペースが設けられています。
前席と後席の間にも「3連式オーバーヘッドボックス」が設置されており、24.4Lという大容量になっているので、長尺の物も収納可能です。
後部座席は足元がかなり広々しています。大柄な私が座っても、膝周りに余裕があります。
シートの作りも均等に3分割になっているので、大人が3人で並んで座っても窮屈ではなさそうです。
後部座席にはフロントシートバックテーブルが付いているので、ちょっとした軽食を食べる時とかには便利です。
またスライドドアにはドアポケットが付いており、収納に便利です。
ラゲッジルームはフロア地上高を低く抑え、かつフラットフロアとすることで、荷物をラクに積み下ろし出来るようになっています。
後部座席を倒せることは勿論のこと、助手席のシートバックも可倒式になっているので、長尺の物を楽につむことが出来ます。
後部座席を倒せば比較的フラットになるので、大人2人+子ども1人くらいなら車中泊も楽しめそうです。
エクステリアも商用車の様な安っぽさがありますが、可倒式助手席やオーバーヘッドコンソール、フロントバックテーブルなどの実用性の高い装備や、レバー式のサイドブレーキなどの遊び心を擽る装備もあり見どころが多い車です。
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