ルノー・カングーゼンを実際に試乗運転してきた感想を書きたいと思います。
カングー・ゼンの走行性能
では早速カングーに乗り込んでみます。座ってみて先ず感じることは視界の良さです。
フロントガラスが大きいので、視界が凄くいいですね。まるでスクリーンを見ている様な感覚になります。
視界に加えて、ファブリックシートの座り心地も最高です。包み込まれている様です。
腰回りも若干の突起があるので、背中の形状にしっかりフィットしてくれています。いつまでも座っていたい欲求に駆られてしまいます。
走行はどうかというと、1200㏄と普通車にしては些か小さいエンジンなので、走りに不安をもって状態で試乗をしましたが、ターボが低回転域からしっかり効いているので、不安要素は解消されて、しっかり車を引っ張ってくれます。
試乗は私と妻と営業マンの3人でしたが、大人が3人乗車しても負担がかかっている様な印象は受けません。
6速EDCが適切なポジションに入っているので、本当に加速が良い走りができるのです。
この位の力を出してくれるのであれば、登坂などでも力不足の心配はなさそうに感じますね。
カーブではハンドリングの気持ち良さが際立っていました。
ハンドルと切り込むと車が優しく曲がっていくので、ラインを気持ち良く辿ることができます。
最初乗り込んだ時には、インテリアがコンパクトカーの様に若干チープな印象があったので、走りにもそういったチープさが表れてしまうかなと不安がありましたが、走りに関しては、1200㏄クラスよりもワンランクもツーランクも上のクラスの走りにも劣らないと思います。
ただ走行時のエンジン音はしっかり中に入り込んできます。
ドアの重みもあまりなく、もしかしたら遮音材などもあまり使われてないのかなと感じます。
静かな走行を楽しみたい方にとってはあまり満足していただけない可能性が高いです。
カングーの安全性能
カングーの安全装備は国産車によく見られる「自動ブレーキ」などの先進の安全装備は装着されていませんが、万が一の事故の際に被害を軽減する安全装備をメインに装備しています。
乗員の保護の観点ではエアバックが標準で充実しています。
フロントのエアバックは今や標準が当たり前ですが、カーテンエアバックなどは今でもオプションになることは珍しくありません。
カングーでは「フロントエアバック」「フロントサイドエアバック」「カーテンエアバック」が標準で装備されています。
さらに「アンチサブマリン機構」で衝突時にエアバックが開くことで瞬時にシート座面の前方がせりあがり、乗員がシートベルトの下に潜り込むサブマリン現象を防ぐことができます。
走行時の安全装備としては「EBD」(電子制御制動力配分システム)と「ABS」を採用しています。
さらに「EBA」(緊急時ブレーキアシストシステム)により、制動時における高い予防安全性を確保しています。
また、タイヤが滑りかける状況を検知し、車両の進路を安定させるESC(横すべり防止装置)を標準装備しています。
悪路においては「エクステンデッドグリップ」という、適切な駆動力を確保する為の走行モードが備わっており、スイッチ一つでシステムを作動させると、トルクと制動力を最適に制御することにより駆動力を確実に地面に伝えスムーズで安定した走りをサポートします。
最後に坂道発進で役立つ「ヒルスタートアシスト」が装備されています。
坂道発進時にはブレーキ力を自動的に2秒間維持して発進操作をアシストしてくれます。
満員乗車で急坂発進すると重みで下がってしまいますが、これがあれば安心して坂道発進できますね。
カングーの燃費と実燃費
カングーの燃料はハイオク仕様になっています。
ここで既に燃料単価が高くなってしまうのですが、実燃費でいうと今回試乗した7㎞の道のりでは12.2㎞/Lでした。
カングーのJC08モードは14.7㎞/Lなので、実燃費で見るとかなり良い印象です。
ちなみに高速道路の走行が多い方などの実燃費はJC08モードの14.7km/Lを超える燃費を叩きだすとサービスマンはおっしゃっていました。
やはり6速EDCトランスミッションは2組のクラッチシステムでエンジンからの出力をスムーズかつ効率的よく路面に伝えてくれるので、シームレスな加速を実現しており、燃費削減にも貢献しているのでしょう。
さらに、制動時に減速エネルギーを再利用することにより電気エネルギーの消費を最適化する「エナジースマートマネジメント(ESM)」や、燃費抑制に貢献するドライブモード「ECOモード」、停止時にエンジンが停止・再始動する「ストップ&スタート機能」も低燃費に貢献しています。
1,200㏄でありながら2,000㏄並みのトルクを実現した走りと低燃費を両立したカングーは魅力的ですね。
カングー・ゼンの試乗記まとめ
ここまでルノーの主力車種でもあるカングーを見てきました。
カングーはデザインに特徴がある車なので、私も今まで一度も興味を示してこなかったのですが、実際に触れて試乗してみると、この車をこよなく愛すマニアの気持ちが少し理解できた様に思えます。
フランス人の志向の一つに「不必要な所にはお金をかけない」という考えがあります。
カングーもインテリアにはあまりお金をかけていませんが、車の肝でもある走行性能にはしっかりとしたこだわりを詰め込んでいるのです。
いかにもフランスらしい車、ルノーカングーに興味を持った方は、是非ルノーのお店に足を運んでみて欲しいと思います。
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