日産セレナe-POWERハイウェイスターVを実際に試乗運転してきた感想を書きたいと思います。
セレナe-POWERハイウェイスターVの走行性能
セレナe-POWERは100%モータードライブなので、走り出しから力強い走りをするのがウリになっていますが、実際のところはどうなのかを試乗でしっかり体験してきました。
まずエンジンをかけるとエンジンが回りだします。これは充電の為にエンジンを回転させているそうです。エンジンが回っていても普通のガソリン車と比べてもかなり静かです。
走りだして1km位走行したらエンジン音は一旦ストップしました。その後の走行音は無音の中にモーターの回る高めの音が微かに聞こえるのみです。
噂の通り100%モータードライブはトルクの高い力強い走り出しでした。セレナe-POWERには走行モードの切り替えが可能で、ノーマルで走っても十分モーターの特性を感じることができますが、切り替えて走ると別の車かと錯覚するくらい走行フィールがかわります。
ECOモードで走行すると、必要以上の加速を抑えたマイルドな走りになり低燃費に貢献します。アクセルペダルのみで走行できる「e-POWERドライブ」もこのモードで体感できます。
回生力が強いのでブレーキペダルを踏まなくても、ブレーキを踏んだ時の様に減速してくれます。この感覚は実際に運転して貰わないと説明が難しいのですが、敢えて例えるのであれば、遊園地にあるワンコインで動くバッテリーカーの様な運転フィールです。
Sモードに切り替えると、「e-POWERドライブ」でエコを意識しながらしっかりとした走りも実現しています。右左折やカーブが多いシーンでもレスポンスの良い走行を体感できます。
Sモードはアクセルペダルを踏んだ時の反応が良いので運転が楽しくなりますが、今回の試乗では100%モータードライブということもあり、燃費効率が一番良いエコモードを多用しました。
エコモードで走行して感じることとしては、上り坂での非力さを感じてしまいます。モータードライブなのでトルクが走り出しから高いのですが、最高出力が136PSなので坂道ではガソリン車のミニバンの方が力強さはあります。
最高出力でみれば20PS程度の差なので、大きく変わることはありませんが、大人数でのドライブではその差がストレスになることもありそうです。
車体が大きいのでカーブでは安定感が悪そうだなと勝手に思っていましたが、セレナの重心がかなり低い位置にあるので、カーブでも大きく不安定になることはありませんでした。
セレナe-POWERはe-POWERドライブでワンペダルドライブの味わったことがない走行フィールと静粛性の高い走りで、今後さらに注目が集まりそうです。
セレナe-POWERの安全性能
セレナe-POWERハイウェイスターVの安全装備は標準で「アイドリングストップ」「VDS(ビークルダイナミクスコントロール)」「ヒルスタートアシスト」「インテリジェントエマージェーンシーブレーキ」が装備されています。
特に注目すべきは「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」です。フロントカメラで前方の車両や歩行者を検知し、衝突の危険が高まるとディスプレイへ警告表示とブザーで知らせてくれます。
万が一ドライバーが安全に減速できなかった場合には、自動的に緊急ブレーキを作動させて衝突を回避、または衝突時の被害を軽減します。
その他、e-POWERには「ハイビームアシスト」が付いており、前方検知用のカメラで、先行車や対向車のライトや周囲の明るさを検知して自動でハイ・ロービームの切り替えを行ってくれます。
今回試乗したセレナe-POWERハイウェイスターVにはセーフティーパックが装着されているので、安全装備は更に充実しています。
代表的な装備をあげると、「プロパイロット」「インテリジェントパーキングアシスト」「インテリジェントLI」「インテリジェントDA」「踏み間違い衝突防止アシスト」「標識検知機能」などが追加されています。
プロパイロットは標準のセレナにも装着されており、以前より日産がCMなどで特性を伝えている日産の目玉装備ともいえます。
別名「高速道路同一車線自動運転技術」と言い、高速道路上でステアリングにあるプロパイロットスイッチをプッシュするとスタンバイ状態となり、セットスイッチで車速を設定するとプロパイロットを開始します。
プロパイロットは前走車との車間距離を自動でキープしながら、車線中央をキープして走行してくれます。車線さえあればカーブにおいても車線中央をキープして走行します。いわば自動運転の先駆けですね。
次に「インテリジェントパーキングアシスト」を見てみましょう。この機能は試乗時の車庫入れで使用させて欲しいとお願いしましたが、ディーラーの駐車場に十分なスペースがないという理由で御断りされてしまいました。
どんな機能かと言うと、駐車枠を指定するだけで、自動でハンドル操作を行い、枠の中への駐車をサポートしてくれます。車庫入れでも縦列でも対応してくれるので、車庫入れが苦手な方には強い味方になりそうです。
LDWで車線を逸脱しそうな時に注意喚起を行いますが、インテリジェントLIで車線内に戻す方向に力を短時間発生させ、ドライバーが車を車線内に戻す操作を促してくれます。
セレナに装備されている安全装備に加え、セーフティーパックBの装備でかなり快適に、より安全なドライブに寄与しています。
セレナe-POWERの燃費
今回の試乗では約8kmの試乗コースを走行させて頂きました。大きな幹線道路はなく起伏も多い街乗り走行です。
今回の試乗では約20km/Lというミニバンでは強敵な燃費を記録しました。勿論低燃費になる様なアクセルワークとドライブモードをエコモードにして走行した結果ですが、街乗りであれば、周囲の車両に迷惑になるほど遅く走行している訳でもありません。
はやりモーターで走行してガソリンエンジンで発電を行うというセレナのパワートレインは燃費には効果的な様です。
このデータだけではセレナの燃費にあまり信憑性がありませんので、他の方の実燃費データも踏まえて、セレナの実燃費を集計してみました。
(km/L) | X | XV | ハイウェイスター | ハイウェイスターV | |
---|---|---|---|---|---|
2WD | JC08 | 26.2 | 26.2 | 26.2 | 26.2 |
実燃費 | 17.6 | 17.6 | 17.6 | 17.6 |
他の方の走行データを見ると16.6km~18.0km/Lで走行している方が多い様で、中々20km/Lで走行できたという方はいない様です。
セレナe-POWERハイウェイスターVの試乗記まとめ
今回は新しく発売されて間が無いセレナe-POWERハイウェイスターVに試乗して参りましたがいかがでしたでしょうか?
100%モータードライブという新しいパワートレイン、日産ノートで体感していたものの、実際にミニバンに搭載されて運転してみると、また違った驚きがありました。
価格もSハイブリッドと比較して40万円程度しか違いがなく、実燃費で17km/L以上走行してくれるのであれば、かなり注目できる車ではないでしょうか?
私も真剣にセレナe-POWERの購入を検討してみたいと思っているくらい魅力的で興味深いミニバンに出会うことができました。
↓セレナe-POWERの外観・内装レポはこちら
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