マツダCX-5ディーゼル4WDを実際に試乗運転してきた感想を書きたいと思います。
CX-5・ディーゼル4WDの走行性能
今回試乗したのが2.2Lのディーゼル車だったので、とにかくトルクが凄かったです。走り出しはガソリン車のような軽快感はありませんが、少し加速すればそこからの加速の伸びは快感です。
アクセルを少し踏めば、エンジンが直ぐに反応してみるみる速度が上がっていきます。ハンドルを握っていても加速する際のGをしっかり感じます。
エンジンも2000回転くらいになれば速やかにギアがチェンジされるので、スムーズに加速していきます。エンブレもギアをセミオートマに切り替えれば自在にギアを落とすことが可能です。
しかし、シフトノブを前に倒せばギアが下がり、手前に引けばギアが上がるのが他車のシフトノブの設定と逆になっているので、慣れるまで少し使い難さはありました。
ディーゼル車なので走行時の騒音が心配でしたが、予想を遥かに上回る静かさです。
ディーゼル車なのでハイブリッドの様に無音とはいきませんが、エンジンの回転する音が心地よく耳に入ってくる程度でロードノイズや外の雑音は一切気になりません。
ディーゼル特有のエンジン音は外に立って入ればわかりますが、室内は窓を閉めていればガソリン車と何らかわりはありません。夫婦の会話や、音楽を聴く上では全く気にならない程度です。
街乗りの運転では、車高が高く視認性が良いので歩行者の発見もしやすく、交差点から侵入してくる車も良く認識できます。信号が多い場所では、停止・発進が多いとディーゼルの走り出しの煩わしさは若干感じますが、ストレスにはならない程度かなと思います。
高速道路はかなりの距離を走行しましたが、今まで乗った2.4Lのミニバンや1.8Lのハイブリッド車と比較しても比べものにならないほどCX-5のディーゼル車の方がいいです。走行時の運転のしやすさと加速の良さは素晴らしいです。
峠道の走行では、車体が大きく車高も高い車ですが安定した走行をしていました。乗っていて感じることは、カーブでの揺れが少ないことです。
一緒に後部座席に乗っていた子供は普段私の車での長距離ドライブでは必ず酔いますが、今回は全く酔う気配はなしです。
恐らくこれはGベクタリングコントロールの効果だと思います。これはハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させることで、別々に制御されていた横方向と縦方向の加速度を統合的にコントロールしているのです。
これにより4輪への接地荷重を最適化してスムーズで効率的な車両挙動を実現し、長距離運転での疲労軽減や同乗者にかかるGの変化がよりスムーズになるので、体の揺れが減って乗り心地も改善するのです。この制御技術は世界初みたいですよ。
営業マンも車を貸し出すときに教えてくれた時も、停車中のCX-5のハンドルを左右に切るように言われたので試してみましたが、車体がハンドルを切ったほうに沈み込んでいました。さすがマツダですね。
運転している私は勿論の事、助手席や後部座席に座っている同乗者も、カーブの時の横Gがかかりにくく、嫌な揺れを感じません。これは素晴らしいテクノロジーだと実感しました。
CX-5の燃費
今回試乗でお借りしたCX-5はしっかり走りこんで総走行距離は266kmです。走行したのは4月で気温20度前後ある暖かい日の午前10時から午後17時まで約7時間です。
走行ルートはMRCCを多用した運転で高速道路62kmと山間部31km、そして街乗り25kmを走行してみました。
またMRCCなしで、山間部を19km、幹線道路を20km、街乗りを95km走行して燃費を計測しました。
高速道路の実燃費
高速道路での燃費はMRCCを使用して平均100km/hで走行し、燃費は16.1km/LとJC08モード燃費の17.6km/Lより若干下がりました。
山間部の実燃費
山間部はアップダウンが多い1車線の国道をMRCCを使用して31km走行させました。燃費はJC08を大きく上回る19.9km/Lとかなり優秀です。
MRCCは山間部では登りの時の加速と、下りの時の減速を上手くコントロールしているので、人間の感覚で運転するようも遥かに効率的な運転をしているのだと思います。カーブの時に先行車を見失うので、それだけ気を遣えばかなりいいです。
街乗りの実燃費
街乗りではMRCC使用で25kmを11.5km/Lで走行しました。
次にMRCCを使用しない通常の運転時の燃費です。山間部の国道19kmの走行では、14.6km/Lでした。MRCC使用時と比べて5.3km/Lも燃費が下がっています。
幹線道路では20kmの走行で燃費は15.0km/Lだったので、思いのほか低燃費な印象です。スムーズな流れの走行で信号での停止も少ない為、常に高いギアで低い回転数で走っていたのが要因だと思います。
最後に、街乗りです。トータル95km走行して燃費は9.8km/Lです。はやりアクセルとブレーキを頻繁に使用する為、思うように燃費が伸びませんでした。
今回の試乗では、全266km走行して燃費は13.2km/Lでした。JC08モードと比較すると実燃費は4.4km/L下がる結果となりましたが、実燃費はJC08モード6割~7割程度に留まる車種が多い中、CX-5は約8割を達成しているので優秀ですね。
私は燃費に全く気を遣わず運転していましたので、ちゃんと低燃費を念頭においた走行をすれば、更に1~2km/Lは燃費が期待できそうです。
今回の結果を以下の表にまとめています。
MRCC有 | MRCC無 | トータル | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
高速 道路 | 山間部 | 街乗り | 幹線 道路 | 山間部 | 街乗り | ||
走行距離 | 62km | 31km | 25km | 20km | 19km | 95km | 266km |
実燃費(km/L) | 16.1 | 19.9 | 11.5 | 15.0 | 14.6 | 9.8 | 13.2 |
JC08達成率 | 93.6% | 115.7% | 66.9% | 87.2% | 84.9% | 57.0% | 76.7% |
CX-5のカタログ燃費と他のオーナーさんはどのくらいの燃費で走られているのかを口コミサイトから拾って以下の表にまとめてみました。
燃費(km/L) | 20S | 20S プロアクティブ | 25S Lパッケージ | XD | XD プロアクティブ | XD Lパッケージ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2WD | JC08 | 16.0 | 14.8 | 18.0 | |||
実燃費 | 10.9 | 9.6 | 13.4 |
燃費(km/L) | 25S | 25S プロアクティブ | 25S Lパッケージ | XD | XD プロアクティブ | XD Lパッケージ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4WD | JC08 | 14.6 | 17.6 | ||||
実燃費 | 11.6 | 12.6 |
口コミサイトを見ても、今回私が乗ったCX-5 XDプロアクティブの実燃費は12.6km/Lなので今回私が走行して計測した実燃費と大きな相違はない様に思えます。
CX-5の安全性能
CX-5にはマツダの先進安全技術群「アイ・アクティブセンス」が搭載されているので、良好な運転環境と優れた操縦安定性で安全運転をサポートするものから、衝突時の乗員保護と歩行者などの保護を優先する技術までたくさん詰まっています。
運転していて便利なのは交通標識認識システムとブラインド・スポットモニタリング(BSM)です。
まず交通標識認識システムはカメラが標識を読み取り、速度制限や一時停止、進入禁止などの交通標識をフロントガラスに投影してドライバーに知らせてくれるのです。
速度標識は運転していると見落としてしまいますが、これならば常に制限速度を認識できます。
BSMは15km/h以上で走行時に、隣車線上の側方および後方から接近する車両を検知するとドアミラーの鏡面のインジケーターが点灯して通知してくれます。
その状態でウィンカーを操作すると点滅と警告音が鳴ります。
これは実際に使ってみるとかなり便利です。今まではミラーと目視の2度確認でしたが、これがあれば今まで作業で、センサーが確実な情報を鏡面に警告してくれるので、安心して車線変更ができました。
高速道路ではわざと隣車線にクルマが走行中にウィンカーを操作して見ましたが、きちんと検知して警告音と点滅して知らせてくれました。
今まで付いる車に乗ったことが無かったので感動してしまいました。
次にアダプティブ・LED・ヘッドライトです。これは高速道路などでちょっとした気遣いを感じます。この機能は左右12ブロックのLEDを個別に自動点灯・消灯して夜でも面倒な操作なしで昼間の様な視認性を実現します。
高速道路では95km/h以上で走行中にヘッドライトの光軸を自動で上げてくれるので、より遠方の視認性を向上してくれます。
今までは前の車や対向車を気にしながらハイとローをこまめに切り替えていましたが、田舎の高速道でも面倒な操作が全く必要なかったです。
レーンキープ・アシストシステム(LAS)も便利な機能でした。LASは車線を逸脱しない様にステアリングアシストする機能と、車線中央やカーブに沿って走るようにアシストする機能が選べます。
実際使ってみるとアシストしてハンドルが勝手に動くものの、ハンドルを離してよいレベルではありません。直線は何とかアシストますが、カーブに差し掛かるとダメです。
今回の試乗は高速走行の距離が長かったので一番重宝したのが、マツダ・レーダークルーズコントロール(MRCC)です。
ハンドルのボタン操作一つで先行車に追従して速度調整から停止まで行ってくれるのです。
MRCCは先行車との速度差や車間距離を計測してエンジンとブレーキをコントロールしてくれます。
また100km/hまでの速度域ならば予め設定した速度を保つよう自動で速度調節してくれるので1時間の高速走行が本当に驚くほど楽でした。
一般道でも使えますが、信号機が多い所やカーブの多い所での使用はおススメできません。この機能の一番の難点はカーブです。
急カーブでは先行車を一瞬見失い、前に車がいないと判断して加速します。急カーブでいきなり加速し始めるので怖いです。
バイクもセンターを走っている時は反応してくれていますが、道端を走っているバイクが停車しても止まらないことがあり急ブレーキを踏んでしまいました。
また信号機も認識しませんので、追従で気を緩めていたら信号無視をしてしまいそうになります。
また信号が青になっても発進・加速が遅いので、対向車が無理に右折してきたりするので注意が必要です。
急な下り坂でもMRCCの時はブレーキがきついと感じることが多々ありました。
高速道路や幹線道路では便利な機能ですが、一般道での使用はかなり気を遣います。
衝突時の人の保護でいえば、ボディーが軽量・高剛性なので、衝突エネルギーを効率的に吸収・分散するので衝突安全性能が増しました。
またSRSエアバックと側面衝突の衝撃軽減の為にSRSエアバックシステムカーテン&フロントサイドを全車標準で付けているそうです。
また歩行者保護の為にボンネットやフロントバンパーにはエネルギー吸収構造を採用して、歩行者の頸部や頭部、脚部への衝撃を軽減しています。
CX-5・ディーゼル4WDの試乗記まとめ
今回試乗したCX-5 はクリーンディーゼルでトルクが高く走行性能も高く走り心地も非常に良い車です。
安全性能もボディー剛性、歩行者や乗員の被害軽減、ドライバーサポートのどれもしっかり考えられた機能になっていました。特にドライバーサポートの機能はMRCCをはじめ使ってみるととても便利な機能です。
エクステリアもフロントマスクは大きく迫力があり、サイドのフォルムも見れば見る程良さが表れます。リアのデザインはシンプルすぎる中に高級感もあり全体的に良くまとまっています。
インテリアも5人乗っても余裕の広さで、マツダコネクトやBOSEサラウンドシステム、シートヒーターやパワーシートなど快適に車内で過ごす機能が搭載されています。
燃費も街乗りは若干ウィークポイントになりますが、高速道路や幹線道路はMRCCを併用すればより効率的な加速と減速をコントロールして走行してくれるので低燃費に走ることができます。
価格から見てもこれだけの機能や性能をもったCX-5はコストパフォーマンスに優れた車ではないでしょうか。
皆さんも是非一度マツダのお店でCX-5をご覧になってみてはいかがでしょうか。
↓CX-5ディーゼルの外観・内装レポはこちら
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